ニート・無職・フリーター。よくまとめて使われるこれらの言葉で、よく耳にはするものの、違いを一言で説明するとなると難しいのではないのでしょうか?

二―トと無職って同じじゃないのでしょうか?フリーターはアルバイト、パートと同じではないのでしょうか?

ここでは、分かっているようで日常混合されて使われているニート・無職・フリーターの違いや、それぞれの暮らしぶりのちがいについて解説していきます。

 ニート・無職・フリーターの定義(厚生労働省)

ニートとは

まずニートは、”Not in Employment, Education or Training”の頭文字から来ており、イギリスで無職の若者が増加したことから生まれた言葉です。

15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方を、いわゆるニートとして定義しています。
出典:厚生労働省 ニートの定義は何ですか。

ちなみによくニートに関連して、「引きこもり」という言葉も目にすることがあると思います。そしてニートと引きこもりは混合して使われることが多いのですが、引きこもりの定義は、仕事や学校に行かず、家族以外の人との交流をほとんどせずに、半年以上続けて自宅にひきこもっている状態とされており、

ニートであり引きこもりであるためには、

  • 15~34歳
  • 仕事や学校に行かない
  • 職業訓練を行っていない
  • 半年以上自宅にひきこもる

上記の条件を満たす必要があります。
参考:厚生労働省 「ひきこもり」とは

※なおニートの人数は全国に54万人おり、けがや病気によりニートにならざるをえない人が最も多いとされています。ニートの詳しい人数の内訳やニートになる要因を知りたい方は「ニートの人数は全国で54万人!ニート数の推移は下がるも比率は変わらず」の記事もご覧ください。

無職とは

一方無職とは、文字通り職業を持たない人のことを指します。就労の意欲があるか否かは問われず、例えば、解雇された人や、転職で一時的にどこの企業にも勤めていない人も無職となります。また定年退職後の状態も無職となります。

ここでニートと無職の違いが分かります。ニートは無職の中に包含されるものの、無職はニートと必ずしも言いかえることが出来ません。また就労を希望していて、就職活動を行っている人であれば、無職ではあるものの、ニートではありません。

35歳以上の家事、就業、通学も何れも行っておらず、就労意欲がない人もニートは呼ばず、無職と呼ばれるのですね。

※なお無職者全体の人数は減少しているものの、ニート世代の若者の人数は横ばい状態です。なぜ若者の無職の割合が横ばいなのかその実態を知りたい方は「無職の人数は190万人!無職全体の割合は減っているが、ニート世代の割合は横ばいな理由」をご覧ください。

フリーターとは

最後にフリーターについて解説します。

フリーターとは、

  • 15~34歳
  • アルバイト又はパ―ト
  • 男性については継続就業年数が1~5年未満の人、女性については未婚で仕事を主にしている人
  • 現在無業の者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する人

上記すべてに当てはまる人のことを指します。
参考:若年者雇用に関する参考資料

よくフリーターとアルバイト・パートも混合されやすいですが、

  • アルバイトやパートであったとしても、35歳以上であればフリーターでない
  • 男性で6年以上アルバイトやパートをしている人はフリーターではない
  • 既婚女性でアルバイトやパートをしている人はフリーターではない

ことが分かります。またアルバイトやパートへの就労意欲がある人については、無職であったとしてもニートではなく、フリーターと呼ばれるのですね。

※なおフリーターは減少傾向にあるものの、一方で専門性を身につけよりステップアップした職業に就くためにフリーターになる人が増えています。フリーターの人数の内訳やフリーターになる主な理由については「フリーターの人数は全国で約152万人!フリータ数は減少の一途を辿る」にて詳しく解説をしています。

【比較表】ニート・無職・フリーターの違い

さてここでニート、無職、フリーター違いを比較表にしてみました。

ニート 無職 フリーター
年齢 15~34歳 問わない 15~34歳
就業の
有無
× × パート、
アルバイト
男性:1~5年、
女性:未婚
就労の
意思
× 問わない
主婦、
通学中
× 問わない ×

まず労働人口年齢である15~34歳であるかで違いが生じ、その後職業を持っているか、就労の意思、就業以外が本業(主婦や学生)であるかによって、ニート、無職、フリーターに分類することが出来ます。

暮らしぶりの違い

ここでは、ニート、無職、フリーターの暮らしぶりがどれくらい異なるのか、社会的信用度、年金の観点で違いを見ていきます。

社会的信用度(住宅ローンやクレジットカード)

まずニート、無職、フリーターの何れも正社員に比べると住宅ローンといった各種ローン審査が通りにくいなど社会的信用が低いのはお分かりだと思います。特にニートや無職についてはかなり厳しいというのが現実です。ローンの審査は、あなたにお金を貸した場合、きちんと計画通りに返済してくれるのか?が保証できないと通りません。

例えば、住宅ローンであれば金融機関は、

  • 勤めている企業の規模
  • 勤続年数
  • 雇用形態
  • 年収
  • 借金の有無や借金額

といった要素で、ローン審査を行います。

ニートや無職については、金融機関に信用を得るための、社会的信用要素が乏しいため、ローン審査に通ることはほぼ不可能であることが容易に想像できます。よって、頭金をできるだけ多く用意することが必要だったり、借入額が少額になってしまいます。中には住宅ローンの審査に通るために、社会的信用を得るべく、一時的に正社員に数年間就職する方もいるくらい、ニートや無職の社会的信用度は低いのです。

またフリーターも含めてになりますが、住宅ローンのみならず賃貸を借りることも難しいのが現状です。特に地方では賃貸住宅の供給量が増えてきているにも関わらず、収入の安定性がない方への審査は厳しいのが現状です。(ただし工夫次第で借りられる場合もあります。詳しくは「フリーターが賃貸契約の審査を通す方法!」をご覧ください。)

またローンに引き続き、クレジットカードを作るにも審査に通過する必要があります。クレジットカードも貸したお金が戻ってくるかの保証があるかが重要になるため、収入のないニートや無職の方が審査に通る可能性は低いのが実情です。

クレジットカードの審査の際に見られる要素も、ローン審査時と似ています。

  • 年収
  • 勤続年数
  • 持ち家の有無
  • 過去のクレジットカードの利用履歴(ブラックでないかどうか)

上記のような属性情報をクレジットカード会社は見ており、ニートや無職は無収入に近しいため、審査に通過することが難しくなります。

ちなみに、無職ではあるものの定年退職後であり、預貯金や資産がある場合は比較的審査に通りやすいと言われています。また主婦といった家族に扶養されている立場の人は無職でもクレジットカードの審査にも通過する可能性が高いです。学生も無職ではありますが、親族が保証人となることで、学生専用クレジットカードを作ることが可能です。

またフリーターについては、ニートや無職と比べると、収入があるという面で社会的信用要素があるため、ローン審査に通過しやすいです。しかしながら、正規雇用と比べると、定期的な収入がより長く続くかと問われると信用性が乏しく、ゴールドカードの作成はNGな会社が多いです。

社会的信用度を得るには「定期的な収入」という要素が非常に重要で、仮にフリーターで年収が1000万円あったとしても、翌年働かなかったら年収がゼロになるリスクがあり、クレジットカード会社としては、貸し倒れが発生するリスク高いと考え、審査に慎重になってしまうのです。

年金

またニート・無職とフリーターで将来貰える年金額の違いはあるのでしょうか?

まず年金には

  • 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」
  • 厚生年金適用がされている企業に勤める会社員が加入する「厚生年金」
  • 公務員や私立学校の教職員が加入する「共済年金」

の3種類が存在します。よって、ニートと無職は、国民年金に加入することになり、国民年金の支払額は16,340円/月(平成30年度)です。
参考:国民年金機構 国民年金の保険料はいくらですか。

フリーターも基本的には国民年金に加入しますが、以下の条件を満たしている場合は、フリーターでも厚生年金の加入が可能になります。

加入条件
  • 従業員数501人以上
  • 週20時間以上の労働
  • 月給88,000円以上
  • 雇用期間の見込みが1年以上
  • 学生

参考:厚生労働省 平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)

フリーターの場合は上記の条件を満たすと厚生年金に加入することができます。また厚生年金は個人と会社が保険料を折半して支払う制度のため、厚生年金に強制加入しなくてよい500人以下の会社では雇用コストの観点から正社員にのみ加入を認める会社が多いのが現状です。

※ただ年々フリーターでも厚生年金に加入できる条件が緩和されつつあります!また厚生年金のみならず健康保険にも加入することになるため、給付金が未加入の方よりも多いなどのメリットが受けられます。詳しくは「フリーターは社会保険に加入できる?条件やメリットなどを解説」をご覧ください。

さて、将来貰える年金額の違いですが、

国民年金
779,300円/年(平成30年度の満額)
※全期間保険料を納めた方
※保険料を全額免除された期間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)となるが、保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間にならないことに注意
参考:国民年金機構 老齢基礎年金受給条件
厚生年金
平均支給額 1,775,000円/年
(厚生年金(老齢厚生年金)は、給与と加入年数によって支給額が決まるため支給額は一定ではありません。)
参考:厚生労働省 平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

なんと国民年金と厚生年金の平均の受給額の差額は995,700円/年と100万円近く差額があるのですね。

また国民年金のみで暮らそうとすると、老後の生活が非常に厳しいのが実情です。つまり、ニートや無職で一生暮らした場合、フリーターに比べると年金だけに頼ると老後の生活がより大変になるのです。

しかしながら、フリーターであったとしても、年金だけで老後の生活を支えるのは非常に厳しいため、フリーターの場合も早くから老後のための貯蓄が必要です。(しかしながらフリーターだけでの収入で老後の貯蓄ができるかというと難しいといった問題もあります。いずれにせよ正社員に比べるといずれも老後の公的な援助は乏しいと考えておくべきです。)

まとめ

ニートやフリーター増加の問題が取り沙汰されてから久しいですが、世間ではニート、無職、フリーターが混合されて使われており、意思疎通がうまくいかなかったり、無意識に相手を傷つけていることもあるかもしれないため、気をつけたいところです。

また働き方が多様になる社会の中で、ニートや無職、フリーターになる方も多いですが、正社員として働いている状態に比べると、共通してローンやカード審査に通りにくいといった社会的信用が低いのが実情です。

※「ニート・無職増加による問題点」、「フリーターであり続けることのリスク」でも正社員と比べた際のニートや無職、フリーターのデメリットやリスクを解説しています。

老後の暮らしにも影響が出るため、ニート、無職、フリーターの違いをきちんと理解した上で、自身の働き方を選びましょう。

そして社会的信用度や将来の生活を踏まえて不安を感じる人は正社員の道を選ぶのも1つの手です。