仕事に就いていると、売上拡大へのプレッシャーや人間関係からくるストレスなどで誰しも少なからず「もう仕事に行きたくない…。しばらくニートになりたい。」と思ってしまいますよね。
そのような時は本当に仕事を辞めてニートとなることで、心身ともにリフレッシュすることができ悩みが解決する道もあります。
仕事を辞めて無職になるのはありか?なしか?
それは人それぞれの考えにもよりますので、ニートになることが一概に良いとも悪いと言えません。
仕事が忙しくて体力が追いつかず、しばらく何もせずリフレッシュしたい人もいるでしょう。一方で無計画に仕事を辞めてしまうと収入面や後の就職において困ることになり自分の首を絞めることになります。
仕事を今すぐ辞めたいけどふんぎりがつかない…という人も多いのではないでしょうか。
よって今回は仕事を辞めてニートになろうかと考えている人向けに、仕事を辞めて無職になった場合のメリットやデメリットについて解説をします。
さらにニートになるリスクを踏まえて、会社を辞める前にクリアしておくべきことも紹介します。また必ずしも仕事での悩みを解消する道は会社を辞めてニートになることだけではありません。仕事を辞めて無職になること以外の選択肢についても紹介します。
仕事を辞めてニートになるのはありか?
これは人によって今すぐニートになるべき人もいるでしょうし、もう少し今の仕事を頑張るべき人や、転職など仕事の環境を変えてみることで解決する人もいるので、人によりけりです。
ですが今すぐ仕事を辞めて無職になるべきかの判断軸は存在します。
- ニートになるデメリットよりもメリットの方が大きいと感じる
- 無職になることへのリスクヘッジができている
- ニートになりたい理由が明確である
上記の判断軸すべての答えがYESなのであれば、今すぐ仕事を辞めてもよいのではないでしょうか。
まずはそれぞれの判断軸ついて洗い出しをすることから始めてみましょう。そして自分なりでよいのでそれぞれの判断軸のすべてにYESと答えられるかを判断しましょう。
また以下、ニートになることのメリットやデメリット、ニートになるためのリスクヘッジ策について紹介します。ニートになるのはありかなしかを考える際の参考にしてみてください。
ニートになることのメリット
24時間自由である
寝る時間も起きる時間も自由が利きます。仕事のために早起きする必要もありません。
- 友人や家族との平日の旅行
- 1ヶ月以上の旅行や留学
- 継続的なボランティア活動
- ひたすら寝る、ゲームをする、テレビを観る
四六時中自分のやりたいことをやれる時間になるため、自分のやりたいことをやり続けることで本当に自分が好きなことも見えてくるのではないでしょうか。
特に仕事量が多かった人は、毎日仕事に追われて仕事のために生きている状態になっていたと思います。自分の好きなことに費やす時間が少なくなってしまい、自分の心からやりたいことや好きなことが分からなくなっていた人も多いのではないでしょうか。
仕事によって無に等しかった自分の時間が、仕事を辞めることで誰よりも作ることができるのです。
仕事のストレスから解放される
長時間労働や過度なノルマ、仕事上での人間関係に悩まされていた人にとっては大きなメリットです。過労死は仕事をするから起きることであり、無職になってしまえば、仕事のストレスによる身体的・精神的不調から解放されます。
また仕事で不規則な生活をしていた人は規則正しい生活を送ることができるようになり、健康的な生活を送れるようになるでしょう。
また通勤時の満員電車や遅刻の心配をする必要もなくなるので、精神的なゆとりができます。
視野が広がる
仕事をしている時よりも自由な時間が増えることで、自分自身について振り返る時間が増えます。また他人や社会情勢に思いをめぐらすこともできます。
また留学やボランティアに参加してみると、新たな文化や人と触れ合うことになりそれが刺激になります。
さらに就労時には仕事関係の人としか付き合いがなかったという人であれば、会社以外の人間関係を築くことで、会社の中では出会えなかった性格の人と知り合うことができます。
自分の行動次第にはなりますが、仕事をしているときには理解できなかった考え方や価値観に触れることができます。
ニートになることのデメリット
一方、予想通り次のあてもなく仕事を辞めることのデメリットも存在します。しかもデメリットの影響度の方が一般的には大きいです。
収入面の不安がつきまとう
これが一番のデメリットでないでしょうか。もちろん正社員だから一生安泰という時代は終わっているものの、ニートの方が収入面での不安は圧倒的に大きいです。
収入源がなくなってしまいますので、どうやって暮らしていくかを自分で考えないといけません。失業手当が給付されているうちはよいですが、貯金が底をついた場合、生活のあてはありますか?
また減免制度や猶予制度はあるものの、収入がないからといって年金や健康保険の支払いは完全に免除とはなりません。
親や親せきに頼る、貯金をたくさんしておき資産運用で暮らしておくなど、収入源の問題をクリアしないとニートになった途端、死活問題となります。
不健康になる
これは人によりますが仕事による拘束を受けないため、生活が不規則となりがちです。よって夜型生活となり家から出る機会が少なくなり引きこもりがちになってしまいます。
自分に厳しくないとだらだらしてしまい、運動不足にもなってしまいます。
社会的信用が低下する
社会的信用とは、例えば、
- クレジットカードのローン審査が通らない
- 住宅ローンが通らない
- 賃貸契約を結べない
などの事象のことを指します。
そもそもローンの審査の際には「この人は返済が滞る可能性はないか?」を見られることになります。しかしニートの場合は安定した収入源がないと見なされてしまうため、各種ローン審査に通ることは非常に難しいのです。
社会からの偏見
まだまだ日本は仮に理由があってニートになったとしても、ニート≒怠け者という目で見られてしまいやすいです。
偏見によって結婚相手が見つからない…ということもあるかもしれません。ニートになったことで家族や友人に偏見を持たれてしまった場合は、どうしても会いにくくなってしまいます。
会社員という身分がなくなるため、社会から孤立しているような気分にもなってしまいます。
転職時に不利になる
一度ニートになって再就職しようとした場合、企業からは直近の就労経験がないと見なされて嫌煙されることが多々あります。再度その企業に就職したとしてもまたすぐに会社を辞めてしまうのではないかと思われてしまうからです。
仮に書類選考を突破して面接に進んだとしても、面接時にはなぜ前職を辞めてニートになったのかをしつこく聞かれることになります。そしてニートになった理由が企業が納得いくものでないと落とされ続けることになります。
再就職したくても面接を突破できず、ニートの期間がより長くなってしまい面接をさらに突破できないという負のスパイラルに陥ってしまうのです。
ニートになるためのリスクヘッジ
ニートになることを決めたものの、会社を辞める前にニートになるためののリスクヘッジはできているでしょうか?ここでは最低限やっておくべきリスクヘッジ策について紹介します。
生活費の把握と節約
まずニートになった後に月々の生活費がどれくらいかかりそうなのかを把握しておくべきです。
- 家賃…70,000円
- 食費…30,000円
- 日用品代…20,000円
- 美容・医療費…10,000円
- 光熱費…8,000円
- 携帯・通信費…5,000円
- 交通費(定期代除く)…5,000円
- 税金…30,000円
- 健康保険料…20,000円
- 年金…30,000円
- 交際費…20,000円
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合計 248,000円
1人暮らしの場合ですが交際費を入れても約25万円かかります。この月25万円を仕事を辞めた場合どう賄っていくかも同時に考えないといけません。
まずは節約できるところはないか徹底的に洗い出しましょう。一番節約しやすい費用は固定費である家賃です。勤め先に通う必要がなくなるため、極論どこに住もうがあなたの自由です。今の家賃より安いところはないかを探して、契約が結べる就労中に引っ越しましょう。
他にも携帯や通信費については、格安SIMに切り替えることで切り詰めることが可能です。
一番厄介なのが税金、年金、健康保険料です。とくに辞めた初年度の住民税はサラリーマン時代の給与額を元に計算されるため重くのしかかってきます。
ちなみに住民税であれば市町村にもよりますが前年度の年収が100万円以下、所得税に関しては年収が103万円以下であれば非課税となります。また健康保険については親の扶養に入ることができないか、親にかけあってみましょう。
クレジットカードの申込み
クレジットカードを仕事を辞めてから作ることはほぼ不可能です。よって在職中にカードを作っておきましょう。
クレジットカードがあった方がポイントでの支払いもできますし、いざという時に分割払いに変更することもできます。年会費無料のカードであれば、カードを作る際の費用もかかりません。
周囲の説得
ニートになった際には必ずといってよいほど、親や親しい友人から今後の生活について聞かれます。
一番よくないのは事後報告です。特に親など自身の面倒を見てくれるかもしれない人にはきちんと仕事を辞めて働かなくなる旨を事前に伝えましょう。
また周囲に自分がニートになることを伝えると、あなたがなぜ会社を辞めてニートになりたいのか根掘り葉掘り聞かれることになります。
- なぜ会社を辞めるのか
- 仕事を辞めてまで何をするのか
- 生活のあてがあるのか
- 無職でいる期間は限定されているのか
- 仕事を辞める以外に何か別の方法はなかったのか
- 再就職する予定はあるのか
これらの質問にすべて答えることができないと、いざニートになっても周囲が認めてくれなかったり、援助をしてくれないおそれがあります。また自分自身のためにもニートになることの覚悟を周囲に示すべきです。
また一度説明しても中々理解してもらえないかもしれないため、一度の話し合いだけで済まそうと思わないほうがよいです。
特に長らくサラリーマンをずっとやってきた親世代の人からは受け入れてもらいにくいのが現状です。「辛いことがあっても働くことがあたりまえ。」、「給料は会社での我慢代。」と考える人が多いからです。
転職サイトやエージェントへの登録
ニートになるのに登録する必要はないと思う方もいるでしょう。しかしニートになった後、再就職しようと思った時に転職サイトやエージェントに登録しておけばすぐに求人情報が手に入ります。
同じ求人がずっと手続けるわけではありません。また興味がある求人が出たらすぐに応募ができるように履歴書や職務経歴書の準備もしておくべきです。
バイト求人サイトや副業サイトへの登録
転職サイトと同様、生活の糧にするために複数のバイト求人サイトに登録しておきましょう。
また副業サイトであればアンケート回答でポイントがもらえて換金できたり、モニター調査にも参加することができます。クラウドソーシングやネット物販など家にいながらにして始められる仕事も募集しています。
どんな仕事もこつこつ行うことが必要にはなりますが、合わせると月10万円ほどの収益になります。人によっては、サラリーマン時代の月収よりも収益化に成功することも。就職しなくても稼ぐ選択肢をたくさん見つけましょう。
会社を辞めたニートの体験談
さていざ仕事を辞めてニートになった場合、実際にはどのような生活を送ることになるのでしょうか?ここからは仕事を辞めてニートになった人の体験談から得られた気づきについて紹介します。
ニートになって気づいたこと
下記のブログのニートの筆者は、ニートになって気づいたこととして少しでも収入を持つこと、身の丈にあった形でよいなら再就職できること、仕事はなくても1日何をするか決めた方がよいことを挙げています。
仕事を辞めてよい意味でも悪い意味でも時間に縛られていると気づいたそうです。
参考:20代半ばで仕事を辞め、無職になった私が気づいたこと。
ニートが楽しいのは最初だけ
下記のブログのニート経験者は、ニートになったことは後悔していないようですが、会社を辞めてニート生活を満喫していたのは最初の1ヶ月間であったと述べています。
誰かを遊びに誘おうとも、普段友達は仕事で忙しく負い目も感じており、人との接触ができなくなっていったこと、人とコミュニケーションを取らないので仕事に復帰する自信がなくなっていったそうです。
休みというのは終わりがあるから楽しいのであって、ニートになったこと自体は後悔していないようですが、ニートになったことで両親をはじめ周りの人に迷惑をかけたと思っているようです。
退職後のシュミレーションが大事
友人Aさんのニートになった理由は、長時間残業やクライアントからの急な呼び出しに耐えきれなかったこと、周囲のやる気のなさや能力のなさに嫌気がさしていたからでした。
実際に会社を辞めてみると、実家に戻って家事を担うことで親孝行する時間が取れてよかったそうです。ゆくゆくは自給自足の生活をしたいそうです。
今の収入源としては自身の習い事に人を紹介することで紹介料を得ているそうです。また元々株や投信信託、国債、金を保有していたことからそれらも生活の足しにしているとのこと。
ニートになる前の1年間ほどニートになった後のシュミレーションをしていたことから、特に困ることなくニート生活を送っているようです。特に返済中の奨学金をどうやりくりしていくかが課題だったそうですが、在職中に返済できる分は繰り上げて返済していました。
収入のありがたみに気づく
友人Bさんは、元々仕事にやりがいを見いだせていなかったことに加えて、地方に転勤を命じられたのをきっかけに会社を辞めることにしました。
今まで親の言いなりになっていたBさん。進学先や就職先を決める際にも親の言いなりになっていたそうです。しかし今回のニートになる決断は親ではなくはじめて自身自身で決めた選択だったそう。
よってニートになった直後は今後の生活の全てを自分で決められるような気がして晴れ晴れした気持ちだったようです。ニートになった直後はバックパッカーとして安い宿を転々としながら旅行を楽しんでいました。
しかしBさんにも高校と大学時に借りた月4万円の奨学金の返済が残っていました。加えて社会人になって通ったビジネススクールの費用を賄うために借りた教育ローンの返済ものしかかっていました。
結果、日々の生活を送るのさえ苦しいのに加えてローンの返済も滞りがちになり、ニート生活はほどなく終わりを迎え、フリーター生活を経て再就職をすることに。
会社を辞めてニートになったことは後悔していないものの、ニートで1人暮らしをしていくことの大変さが身に染みて分かったとのことです。加えて就職をして収入が安定したことを心の底から喜んでいました。
経験者の8割がニートに戻りたくないとも
ニート経験者へのアンケート結果によると、ニート経験がある人の8割が1年以内にニートを卒業していたことが分かりました。また半数以上の人が、ニートを辞めた理由として「収入(お金)」を挙げていたことも分かりました。
(次いで「世間の目」、「周囲に認められたい」だったが、何れも1割以下で少数。)
参考:ニート経験者の8割が「ニートに戻りたくない」と回答 「結婚を考えた」「意外と暇だった」のが社会復帰した理由
体験談やアンケート結果を見てみると、ニートになった後の生活をどうしていくかのシュミレーションが甘いと非常に苦労することが分かります。特に金銭面については向こう1~2年の生活のあてはあるのかきちんと考えるべきです。
休職や転職で解決することも
会社を辞めたいと思うのには必ず理由があります。
- 売上達成のためのノルマがきつい
- 社内でいじめにあっている
- 仕事が多くて休みがとれない
- 自分にはこの仕事は合っていない
- 上司とうまが合わない…
理由は人それぞれですが、だからといって仕事を辞めてニートになることだけが必ずしも最適解とは限りません。
一度は少なからずよいと思って入社した会社です。会社を辞めることでしか解決できない悩みなのかを突き詰めて考えてみましょう。例えば部署を異動することでそれまでの悩みがなくなることもあります。
しかし一度仕事を辞めたいと思い始めると、辞める以外の選択肢を考えることができなくなりがちです。
その際は一定期間、会社を休職するという方法もあります。休職中はまず心身共にリフレッシュして、仕事のストレスを解放しましょう。
そして冷静になった状態で、今の仕事を続けるか辞めるかを考えてみてはいかがでしょうか。
休職すると会社の人から何か言われるのではないか心配な人もいるでしょう。しかし会社を辞めてニートになるリスクを天秤にかけると、一定期間だけ休職をしたとしても、復帰後に生き生きと働いて成果を出す方が会社にとっても自分にとってもよいのではないでしょうか。
今の勤め先が嫌だということであれば、転職という選択肢もあります。先ほど1度ニートになると離職期間ができてしまい、再就職に響くとお伝えしました。
会社を変えることで解決する悩みであるのであれば、今の会社に勤めているうちに転職活動を行うことをおすすめします。
まとめ
仕事を辞めてニートになること自体は簡単ですが、ニートになる前にニートになることのメリットやデメリットをきちんと把握しておくことと、ニートになっても何とかやっていけると思えるほどのリスクヘッジしておくことが必要です。
そしてニートになったのであれば、だらだら過ごすのではなく、ニートのうちでしかできないことをたくさん行いましょう。
再就職をする際にもニートの間に何をしていたのか、ニートになった目的は何だったのかを必ず尋ねられることになります。
会社を辞めたい=ニートになりたいではありません。ニートになることで何をしたいのかを明確にすることが、ニート生活への第一歩なのです。